「ハワイ一人旅、サーフィン、バイク、ハッピーアワー」 ハワイ旅行日記2012年1月。 

2日目

かなり早い時間、5時前に目が覚めた。

カーテンをあけたまま寝てしまった。
窓の外を見ると高層ホテルが見えるので中は丸見えの状況だが、真っ暗にして眠るので外から見えないので部屋の中を見られることはないし、もし見えたとしても僕ひとりなので見られても問題ない。
スナイパーに狙われたら一撃でアウトだが、そんな心配もない。(笑)

昨夜にビールをけっこう飲んだ割には、体調はいい。

さて、カイルアライドを何時にスタートさせようか。
安全の確保を考えると、真っ暗な状況ではなく、うっすらと明るくなりはじめる6時ごろがいいかな。

念のため、光の量は少ないが道路を照らすことができるLEDライトを持ってきているので、暗い中でもなんとか走ることができる。
速度はあげられないけど。

長袖のサイクルジャージを着てとサイクルショーツをはいた。
その姿を鏡で見ると、サイクリングに行く、それらしい格好になっていた。

ウエストポーチにはタイヤチューブ2本とタイヤ1本、タイヤレバー(タイヤを外すときに使う)、ポータブルの工具、そしてGPS対応カメラ、携帯電話、クレジットカード、ホテルのカードキー、使い捨てコンタクトレンズ、そして現金を100ドル程度を入れた。

リュックサックにしようと思ったが、バイクに乗るときにリュックサックタイプだと背中に汗をたっぷりとかいてしまう。
その点、ウエストポーチは腰だけなのでリュックサックほど汗はかかない。
また、背中を固定されるのは、自転車に乗っているときに窮屈感があるから避けたい。
ただ、ウエストポーチは容量は小さいので持っていくモノは少なくしないといけない。

今回のウエストポーチは、ランニング用でウォーターボトルが2本入るタイプだ。
ボトルを入れるところに折りたたまれたタイヤとチューブを入れている。
このおかげでウエストポーチの容量が小さくても、タイヤとチューブ2本を収納してカメラなどのモノもしっかりと入る。

水はコストコで買ったすぐに飲めるタイプのミネラルウォーター1本とウォーターボトルにそのミネラルウォーターを入れた合計2本を装着している。
2本ともミネラルウォーターにしちゃえばいいのだが、自転車に装着しているボトルホルダーのペットボトル対応タイプがひとつで、もうひとつはボトルホルダー用になっている。

ボトルホルダー用にミネラルウォーターのボトルを入れるとグラグラと動いてしまう。
途中で落ちてしまう可能性があるので、ボトルホルダーにミネラルウォーターを入れている。

さて、忘れ物はないかな。

よし、出発しよう。

部屋のドアを開けて自転車を出しエレベーターのボタンを押した。
早朝なので利用者が少ないことからエレベーターはすぐに来た。

ドアが開くとエレベーターの中に自転車を入れる。
ハンドルについているサイクルメーターをリセットしてゼロにした。

昨年にカイルアまでロードバイクで行っているので、大体の距離はわかる。
そして大体の所要時間もわかる。

今回は僕ひとりなので、カイルアで早めのランチをして、ゆっくり休憩をしてから帰ってこよう。

以前は家族との予定があったため、到着した後にラニカイまで走っていってそのまま帰路についた。(セブンイレブンのスパムムスビを食べて速攻で帰りました)

大体の所要時間は6時間くらいだろうか。
いまが6時半くらいなので、12時半にはワイキキに戻れるだろう。

「Good Morning!」。

フロントの人と挨拶をしてホテルのドアを出た。
ヘルメットとグローブを装着し、まだ外が暗いことから交換が可能で透明なレンズにしているサングラスをつけた。
透明なサングラスは虫や小石(小石はあまり飛んでこないけど)などの飛散物から目を守るためのもの。

僕の目は晴れたハワイでもサングラスなしで大丈夫である。
使い捨てコンタクトレンズがUVカットしているという理由もあると思う。

ヘッドライトとテールライトを点灯させてから、走りはじめた。

ハワイ滞在2日目が本格的にスタートだ。

早朝のハワイは気温が低く肌寒いが、長袖のジャージなのでさほど感じなかった。

速度を上げると風が顔にあたってきもちいい。

ワイキキ方面に向かって走る。
前を走っていたトラックが道路の右端に止まった。
それをよけるために左の車線に入る。

朝の時間はホテルへ物を届けるクルマが多く、ワイキキ手前のホテルあたりだといちばん右の車線を走ることができなくて車線を変える必要がある。

ワイキキあたりに来ると、まだ暗いのに散歩をしている人がいたりジョギングをしたりしている人がいた。
特に欧米人の方は早朝の散歩をしている人が多いと思う。
ハワイの朝はキモチがいいので外にでることをおすすめする。

LEDライトの信号の色が、目にしみる。
周囲が暗いとライトが明るすぎるのだ。

ワイキキって信号が多くて、どこの信号が青でどこが赤なのかを注意していないと信号無視をしてしまいそうだ。

今回は自転車でクルマではなく速度は早くないので、さほど注意しなくてもいいけど。

 

カピオラニ公園。

気分的なものかもしれないが、ここに入ってくると空気がよくなる気がする。

早朝からサーフィンをする人がクルマを停めているので、クルマからおろすときのサーフィボードに激突しないように注意して走る。

クルマが少ないので、自転車専用のレーンから自動車の道路部分で走る。
速度は27キロくらい出ている。
スタートしたばかりにしては速すぎるか。

カピオラニ公園を抜けると、坂道になりダイヤモンドヘッドの海側を走る。

まだ暗いからジョギングをしている人に注意しながらゆっくりと走る。
暗いのにもかかわらずダークなウエアを着ている人に注意が必要である。 道路の色、空の暗さから判別しにくいからだ。

クルマがこないときはできるだけ車道側を走った。 まだしばらく陽がでないだろう。
サンディビーチくらいでサンライズを拝めたらいいな。

ダイヤモンドヘッドの海側を走っていると、20人くらいのバイク(自転車)の集団が停車しているのが見えた。
今日は土曜日。 ローカルのサイクルサークルのライドイベントというかトレーニングがあるのだろう。

毎週の土曜日に、ここハワイで走れるのは幸せなことだと思う。
僕が週末に幕張あたりでロードバイクに乗る感覚でハワイの道を走ることができるのだ。

カハラ地区をかすりKalanianaoleハイウエイに入る。(ハイウエイといっても一般道で自動車専用道路ではない道です) しばらくすると、2台のロードバイクに追いついた。
男女のカップル(ご夫婦?)だ。

Kalanianaoleハイウエイに入る前から見えていた。

このKalanianaoleハイウエイに入ってから速度が上がり、やっと追いついた感じがする。
追い越すほど速く走る気もなかったので、しばらく僕を入れて3台で走った。

停まるときはその意思を手で合図してくれたり、道路が悪いとその部分を教えてくれたりしてくれた。
そういう合図をしてくれると、後ろを走るのは楽である。
停まるときの合図は、相手と自分のために重要なことだ。

しばらく連なっていたが、ずーっとこのままというのも何なので、公園のところで僕は公園に入り2人と分かれることにした。

クロスバイクを木に立てかけ、サングラスを外して海を見た。

木に立てかけたクロスバイク
クロスバイクも嬉しそう?

明るいがまだ陽が登っていない空を見ながら、ここハワイにいることを感謝した。

木
日の出まであと少し

でも、まだハワイにいるという実感がなく違和感を覚える。

数枚の写真を撮影し、トイレに行ってから、サイクリングに戻る。 (この公園には人がいないが、自転車を外に置いておくと盗まれてしまいそうなので、トイレの中に入れました。)

Kalanianaoleハイウエイを走っていく。

ハワイカイを抜けてハナウマベイの手前の道は急な坂道だ。
前回のハワイでもこの坂を登るのが大変だったという記憶がある。

ギアを変えた。
軽いギア(軽いがなかなか進まない)ものにする。 メーターを見ると15キロくらいの速度だ。

いままでが27キロ〜30キロくらいで走行していたので、約半分の速度である。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」 。

ギアを軽くしても、僕は息を切らしていた。

「キツイな」。

でも前回よりましなのは、太陽が昇っていないので、暑くないことだ。

「レースじゃないんだから、ゆっくり走ろう」と思い、ペダルを踏んだ。

そして、 やっとハナウマベイまで来た。
そこからはしばらく下りになる。

風を全身に受ける。

ハワイの風。

どんどん走っていくと、太陽が昇るのが見えた。
日の出までにサンディビーチに到着しなかったけれど、ここでも最高の景色である。

日の出
これが見たくて早起きです。

太陽の光と海、風。 かなり満足である。(笑)

写真を撮り、汗を拭き、水を飲んだ。 水がおいしい。

僕以外にもこの場所でサイクリングを楽しんでいる人がいる。
走行していると対向車線を走る人とすれ違うときには、ほぼ挨拶をする。(しない人もいますが)

そんなことがうれしい。

ローカルの人は当たり前の行為だが、僕にとってはスペシャルなのだ。
挨拶をされることもスペシャルであるが、自分が挨拶を返すこともスペシャル。
あまり期待をしすぎると挨拶をしてくれなかったときにがっかりするので、過大なモノにしないようにキモチをセットした。(笑)

さて、どんどん行こう。

 


サイクリストが多い場所です。写真からゴミ箱ははずそうよ。(笑)でもハワイっぽくていい?。(笑)

下り坂を気持ちよく走る。 サンディビーチが見えてきた。
波は今日もショアブレイクだ。

今日はスルーして、次回に来たときにここで少し休憩しよう。

サンディビーチを走りながら見て、先を急ぐ。
海沿いから少々離れた道に入っていく。

道端でロードバイクのタイヤを外している人とその仲間らしい人がいた。
たぶんパンクの修理だろう。

お気の毒に。

僕は、ロードバイク・クロスバイクでパンクしたのは前回のハワイで1回だけで、それもホテルの近く。
しかも修理はショップでしてもらった。

パンクはしたくないな。

そんなことを考えながら走っていた。

「ん?」。

チェーンの音とタイヤと道路の摩擦で発生するロードノイズ、そして風を切る音しかしないはずが、突然、「シュー、シュー」と前輪のある場所から音がした。

タイヤは回転しているので、音量は微妙に変わる。

「もしかして、パンク?」。

すぐにクロスバイクのブレーキを握り停車した。
まだ「シュー」と音がし続けている。

「パンクだ」。

クロスバイクを反対側の車線の草むら(といっても草は短い)に持って行き、地面に置いた。

 

パンク修理
見た目でパンクはわからないですね。

「やれやれ」。

そんなキモチを落ち着けるためにボトルホルダーからミネラルウォーターのボトルを取り、水を飲んだ。

「ま、仕方ない。チューブを交換しよう」。

グローブを外し、ヘルメットを脱いだ。
サングラスをヘルメットの中に入れ、ウエストポーチからチューブを出した。

ふと、「パンクしたタイヤはちょっとイヤだな」と思い、新品のタイヤも出した。

タイヤレバーを使い、ホイール(車輪)からタイヤを外す。
僕は路上でパンク修理をするのは始めてだ。(バイク初級者ですね)
ここハワイで初めて路上でパンク修理をするのは光栄だ。(笑)

クロスバイクのフレームにつけているポンプ(空気入れ)を外した。

ロードバイクでこの道を走る人の多くは減速して、Are You OK?と訊いてくれる。
気分的にはあまりOKではない(汗)が、助けを求める事態にはなっていないので、笑顔でアイムOK!と答える。

アイムオーケー

ホイールにチューブをセットしタイヤをはめる。

パンクを修理するのは初めてだけれど、ロードバイクのタイヤを高性能なものに交換したので前後輪の2回経験をしているので、やり方はわかる。

新品のコンチネンタルのタイヤは、するっとホイールに装着できた。
おもったより楽だった。

でも、事前にタイヤを交換していなかったらこんなにうまくいかなかったと思う。
ハワイの道をロードバイクやクロスバイクで走るときは、事前にタイヤの交換、チューブの交換は練習しておきましょう。(笑)

初級者でしかもひとりでハワイでロングライドをするのはどうなのか?と思った。(ま、前回のカイルアライドでは無傷だったのだが) かなり心細くなってきた。

ま、いいか、タイヤはうまくはまったのだし。

ここで後悔したのは、ハワイ出発前にパンクに備えて携帯用のエアゲージを購入したのだが、日本に忘れてしまったことだ。
細いタイヤはちゃんと空気を入れないとパンクしやすいし速度も上がらない。
携帯用のポンプはゲージのないタイプ(ほとんどの商品でゲージがないタイプなのである方が少ない)だ。

タイヤにチューブが挟まっていないか念入りに確認して、いままでの経験を頼りに空気を入れる。
ポンプは思ったより1回のアクションで多くの空気が入る。
携帯用のポンプで空気を入れるのも実は初めてなのだ。

自宅でタイヤを交換したときは、フロアポンプ(大きい一般的な自転車用空気入れのようなもの)で空気を入れたからだ。

よかった。
高圧対応の携帯用ポンプを購入しておいて。(ロードバイクとクロスバイクのそれぞれに携帯用ポンプをつけている)

当初、このクロスバイクには、マウンテンバイクに乗っていたころ(15年前くらいに購入)のポンプをつけていたが、クロスバイクのタイヤを細いものに交換したことと、ロードバイクのポンプを高性能なものにするためにこの携帯用のポンプをクロスバイクに装着したのだ。

しゅっしゅっと空気を送り込む。
タイヤはどんどん硬くなる。

タイヤがある程度の硬さになったので、チューブのバルブからポンプを外した。

パンク修理、完了!パチパチパチ!

ポンプをフレームに取り付けて、ホイールをクロスバイクに取り付けた。
外したタイヤを折りたたんでウエストポーチのドリンクボトルを入れるところに突っ込んだ。

サングラスをして、ヘルメットをつけて、グローブをはめた。
そして水を飲んだ。

「ワイキキに帰ろうかな」。

パンクをしてしまったことで、キモチが少々ブルーになっているのだ。

「このまま無事にカイルアに行くことができるのだろうか」。

「ロードバイク・クロスバイクの細いタイヤにパンクは付き物。
パンクも修理できたし、まだチューブは残っている。
弱気になってどうする。大丈夫、問題ない。行こう、カイルアへ。」とキモチを切り替えた。

ということで、サイクリング再開!となった。

パンクはしても、ハワイの風は変わらない。
変わったのは、僕の気持ち。
キモチが変わるだけで見える風景も変わってくる。

マインドをセットしなおそう。

パンクしたところからしばらく走ると、シーライフパークの近くに、コックローチベイという場所がある。
僕はそこに差し掛かると自転車を止めて海を見た。

「波はないな」。

コックローチベイ
ほぼフラットだけど、海には人がいます。

なぜ、ここで波を確認したかというと、「ローカルのサーフィン初心者の練習場所」という情報を得ていたからだ。

僕はサーフィンも初級者なので、怪我なく楽しく練習できるポイントを探していたのだ。

場所はわかったので、クルマを借りたときにもう一度来てみよう。
もしかしたら、波があるかもしれない。

シャカシャカと走っていく。

ワイマナロビーチが見えてきた。

ここは美しいビーチがあるが、少々治安が悪い(らしい)。
確かに前回、カイルアライドをしたときに、この場所だけ追い越しされるときにクルマとバイクの距離が短くて怖いと思った。
もちろん、追い越していったのはこの地域の人だけではないと思うが、アロハなキモチを持っていない人がこの地域には多そうな気がする。(先入観かも)
ビーチパークには住人(ホームレス)も多くいるし。
そんなことを考えながら走っていた。

ワイマナロを過ぎると、ここからは海沿いから離れていく道になる。

しばらく海が見えない。

ショッピングセンターといってもちょっとのお店があるところだが、ここを超えるとカイルアまでショッピングセンターといえるようなところはない。

水はあるしトイレも行きたくない。 大丈夫、走ろう。

動物がクルマに轢かれた姿を見た。
日本でもあること、気にしない。

「道の状況はあまりよくないな」と思った瞬間、「パーン」と大きな音が僕の後方から聞こえた。

「まさか僕じゃないよね」と思ったが、念のためクロスバイクを止めた。
そして後輪を見ると、タイヤがバーストしていた。

「おいおい、なんてことだ。」とココロの中でつぶやき、クロスバイクをガードレールにゆっくりと立てかけた。

僕はしばらくこの状況、パンクの後のタイヤバーストという事態に遭遇した不遇さを容認できずにいた。

「どうしよう」。

チューブのパンクではなくてタイヤのバーストだ。

このタイヤはもう使えない。
走ることができないのだ。

僕は予備のタイヤを2本ではなくて1本にしたことを激しく後悔した。
僕は予備のタイヤとして2本購入していたのだ。
しかし、さすがに必要ないと思ってハワイに持ってきたのは1本だけである。

2本を持ってきて、ウエストポーチのボトルホルダの両方(このウエストポーチはボトルが2本入るタイプ)にタイヤを入れてチューブも4本くらい持ってきていればどれだけ気持ちが楽だったか。
チューブもWiggleのセールで6本も買っていたのに、ハワイに持ってきたのは3本、しかも1本はホテルにおいてきていた。

1回のロングライドで2回もパンクするなんて思っていなかったから。

甘いな、僕。(苦笑)

気分的にはイヤだったけれど、先ほど交換したタイヤを後輪につけて走るしかない。
そういう意味では、予備のタイヤをもってきたことはよしとしたい。
ホノルルセンチュリーライドとかでも、「予備のチューブ2本程度は持って走ってください」と書いてあるが、予備のタイヤまでは書いていないからだ。

気を取り直して、修理をすることにした。

おっとその前に写真を撮らないと。
写真を撮る余裕は、まだ走ることができるようになるというリソースがあるから。
もし、もう走れなくなったとしたら、写真を撮る気にもならないだろう。

バーストしたタイヤ
ここまで張り裂けなくても。僕のココロも張り裂けそうでした。(笑)

ヘルメットを脱ぎ、サングラスを外し、グローブを外した。
また、先ほどと同じように水を飲んだ。

バイクから後輪を外し、フレームを逆さまにして置いた。
逆さまにするのは、後輪を外すとチェーンがむき出しになるから逆さまにしないと地面と接触してしまうからだ。

対向車線から来たロードバイクの人が、Are You OK?と訊いてくれた。
その後、数人から確認された。 先ほどより数は少ないが、率は高い。(言わないでそのまま走り去る人が少ない) キモチは本当にOKではないのだが、アイムOK!と答える。
まだ、ソリューションがあるからだ。

僕の近くにロードバイクが止まった。
なんだろうと思って見ると、「気にしないで、サドルの調整をしたいと思ったので、止まっただけで、なにか問題があったわけではないから」という。

紛らわしい。(笑)

なにかしてくれるのかと思った。

タイヤをホイールから外すが、今回はタイヤレバーを使わないで外した。
タイヤはレバーがなくても外せることが先ほどの修理でわかった。

チューブをつけてタイヤをはめる。
なんかバルブのところがうまくはまっていないような感じだ。

「でも、これでいいのかな?」と思ったりも。
ここでタイヤにチューブをはさんだまま空気を入れて、チューブを破裂させたら、それこそ走行終了になる。
もう一度、チェックしてみよう。

そう思い、チューブの空気を抜いて、丁寧にタイヤとチューブの入り具合をチェックした。
そうしたら、きちんとタイヤがはまった。

「危ないところだった。あのまま空気を入れたらチューブが破裂するところだった」。

先ほどと同じように、勘で空気を入れた。
ある程度の硬さになったので、フレームにホイールを取り付けた。
バイクに乗ってみると、もう少し空気を入れたほうがよさそうだ。
ポンプで空気を入れた。

これで走れるようになったが、これからどうしよう。
チューブもタイヤも予備はない。
カイルアまで行かないでワイキキにもどろうか。

ふとサイクルメーターを見ると、カイルアまでの距離の半分以上は来ていることがわかった。
あと15キロくらいだ。(片道35キロから40キロくらいだっと記憶していた)

たしかカイルアにはThe Bike Shopという自転車専門店があったはず。
前回のハワイで参加したティンマン・トライアスロンの受付がThe Bike Shopだった。
もちろん、カイルアのThe Bike Shopではなくワイキキに近いところであったが、The Bike Shopのホームページを見ていたときにカイルアにあることを知ったのだ。

「このままカイルアへ行き、The Bike Shopでタイヤとチューブを購入してワイキキに戻るほうがリスクは低いのでは?」と思った。

「よし、カイルアだ。」と決めて自転車のペダルを踏んだ。

「動物が轢かれたモノを見たからバーストしたのかな?」とか思うが、「そうしたらあそこを通るクルマやバイクはすべてパンクしていないとおかしい」なんて自問自答をしていた。
そして、「ぱん」という小さい音でもびくびくした。
それはタイヤが小石をはじく音だ。
その後、なんどもなんどもその音にびくびくして走った。

今度パンクしたら、めんどうなことになる。
とはいえ、TheBusが通っているのでそれに乗って帰ることもできるので、最悪でも帰れないことはない。
でも、それはとても面倒だ。

道路にガラスがあると、「こんなところで瓶を割らないでほしい」と不機嫌になった。(笑)

そんな状況でも、ハワイでバイクに乗っていると楽しい。

 

商業用の建物が増えてきた。 カイルアの町だ。 なんとかなった。

さて、The Bike Shopの場所を探さないと。
僕がツイッターでフォローしている「カイルアバイシクル」のビルが見えた。

ここで訊いてみよう。

自転車を扱っているのだから、修理やその他のことでつながりがあるかもしれない。

自転車を停めて、サングラスを外して店の中に入った。

「いらっしゃいませ」と店員さん(日本人)がいう。

「すみません。客ではないのです。お尋ねしたいのですが、この近くに自転車屋さんでThe Bike Shopという店があるのですが、場所をご存知ではないですか?」と尋ねた。
「The Bike Shop、あるのは知っていますが、場所までは・・・、少々お待ちください。」といって電話をかけた。

「すみません、お客様の質問で、The Bike Shopをさがされているようなのですが、知っていますか?」とだれかに訊いてくれているのだ。

電話を切った後、その場所を説明してくれた。
この場所からすぐ近くだった。

僕は何度もお礼を言って、店をでた。
営業時間はわからないとのことだが、店があくまで待っていよう。
時計を見ると、10時まであと15分くらいだ。

The Bike Shopに到着すると、すでに店をオープンしていた。

店員さんに、「すみません、タイヤのエアのチェックをしたいのですが(これは英語)」というと、フロアポンプを出してくれた。
それを使い、前後のタイヤのエアをチェックをしたところ、規定より少々少ないが、経験とカンだけでいいところまで入っていた。

エアを入れ終えるとポンプを返し、タイヤを展示しているところに行って、売っているタイヤの種類を見たら、コンチネンタルのゲータースキンというタイヤがあった。
これは耐パンク性能が高いものと覚えていた。
ロードバイクのタイヤを交換するときに選択肢に入っていたので覚えていたのだ。

「44ドルか」。

あたりまえだが、Wiggleの価格より高い。
でも、ここカイルアでこの値段で買えるなら安いくらいだ。

レジで「ワイキキから来たけど、タイヤもチューブも尽きてしまい、次のパンクで帰れなくなるところだった」と店員さんに言ったが、特に反応なく「あ、そう」といった感じでレジをたたいていてた。(笑)
「クレジットカードが使えるか?」という仕事にかかわることにはきちんと反応したけど。

ハワイの人(というより欧米人かな?)は、愛想がよくて話好きなのだが、無口な人もいる。(笑) チューブを2本購入してタイヤと合計で72ドルだった。
チューブ高いな。
でも円高なので、日本円で6,000円しないのか。(後日談:クレジットカードの請求は5,645円でした)

悪くない。

買ったタイヤを箱から出して箱に入っているチューブをウエストポーチのボトルホルダーに突っ込み、バーストしたタイヤとパンクしたチューブを処分してもらうよう依頼をした。

これで気分よくサイクリングが続けられる。

それでは、目的地のカイルアビーチに行くとしよう。

ここからカイルアビーチまではすぐ。
もうすでにカイルアの町にいるから当たり前だ。

カイルアの町の雰囲気はいい。
高い建物がないからか威圧感はないし、余裕をもって建っている感じがする。
ビーチに近い家は価格もかなりお高いことから、生活に余裕がある人が住んでいるからか、人も余裕がある感じがする。(これも先入観?)

でもちょっとクルマが多いかな。

さっきのワイマナロとカイルアは近いのに雰囲気がまったく違う。
海の色とかは似ているに。 カイルアビーチに到着した。
まだ朝だからか人は少ない。

カイルアビーチ
静かなビーチ

カイルアビーチ
こちら側は人がいました。向きが違うだけで色がこんなに違うんです。(カメラの光に対する調整もありますが)

それではラニカイに行ってみよう。
ラニカイまでは自転車ですぐの場所だ。


ラニカイを自分のクロスバイクで走るのは住んでいる気分になる。
サイクルジャージを着てこの場所を自分のバイクで走っている姿はローカルと思ってくれるのか、ラニカイに住んでいると思われる人から積極的に挨拶をされた。

ビーチへの道を行ってみると、満ち潮のような場所だった。

ラニカイ
あの方はつりをしていました。

ここにはクロスバイクをいれられないな。

そう思って違う場所に行った。

しっかりと砂浜がある場所に出た。

ラニカイ
これからどこへ行くのかな?

ラニカイはカイルアとは違った雰囲気がある。
カイルアは観光客が多いがラニカイはローカルの人が多いので、雰囲気が違う。

ラニカイにはトイレもシャワーも売店もパーキングもない。
住人のためのビーチだ。

朝のラニカイの空気をたっぷりと吸い込んだ。

ラニカイ
ローカルの方だと思います。

そうしたら、おなかが空いてきた。(笑)

カイルアの町でなにか食べよう。
テディーズビガーバーガーかな?

そうだ、あそこへ行こう。

行きたいと思っていた「Fat Boy’s」だ。
よくもこんな店の名前にするなと思う。
日本語にすると「おデブな少年の店」だ。
僕は、この名前で躊躇して行っていなかった。(笑)

おデブ少年の

今日はがつっと食べよう。

自転車を鉄パイプ製の柵にくくりつけて店に入る。
店内には先客がひとり。
僕はレジからちょっと離れてメニューを見た。

2種類のおかずが食べたかったので、コンボプレートにした。
ハンバーグステーキとマヒマヒのフライを選び、サラダはマカロニではなくグリーンサラダをチョイスした。
ドリンクはダイエットコークをもっとも大きいサイズで注文した。

注文してからつくるので、しばらく待つ。

厨房の小窓からプレートがでてきた。
たぶん僕のだ。
袋に入れようとしたので、「ここで食べる」と言ってプラスチックバッグを断った。

おデブの店、店内
店内は清潔な感じ。

「ランチだ!やっほー!」といった気分になった。

カイルアまで35キロくらい自転車で走り、パンクを2回、そのうち1回はバーストをしていたから、楽しくランチができることだけでかなりハッピーな気分だ。

店の外にあるテーブルにプレートランチを置き、ヘルメットを脱いだ。
ウエストポーチとヘルメットをテーブルに置いた。

さて、おデブの少年のプレートはどうだろう。

開けてみると、お上品にまとまっているではありませんか。
持ったときの重さもおデブな感じがしなかった。

「そうか。おデブたちを矯正するための店なのか。」というわけではないと思うが。(笑)

でも、レギュラープレートなので、それなりの量がある。

ランチ!
丁寧な感じがしました。

ハンバーグステーキは、グレービーソースではなくしょうゆベースの照り焼き風のソースでさっぱりな感じだ。
頼んでからしまったと思ったマヒマヒのフライは、さくっと揚がっていておいしい。

しまったと思ったのは、ハワイのマヒマヒのフライはさくっと揚がっていないでちょっとしっとりしてしまっていることがあるから。
タルタルソースもしつこくなくていい。
ハンバーグのソースをちょっとつけてからタルタルソースをつけると、これまたいい感じ。 サラダのドレッシングもおいしい。

かなり満足だ。

ドリンクは飲みきれなかったので、クロスバイクにつけていたボトルを持ってきてそこに氷も一緒に入れた。
これで、しばらくはひえひえのコーラが飲める。

さて、ワイキキに戻ろう。

2度目のパンク時の悲壮感は、カイルアへの到着とタイヤ・チューブの補給と食事の補給ですっかりなくなった。

帰りは来た道をそのまま戻る。
同じ道ではなくて違う道で帰ろうかと思ったが、今日の状況でさらにリスクをとる必要はないと思い、同じ道で帰ることにした。

帰りは陽が高くなっていて、気温が上がっていた。

暑い。

サンディビーチを過ぎた後のアップダウンでかなり脚が重くなる。 「あともう少しだ、がんばろう!」とペダルを踏む。

海は青く、風がきもちいい。

変わるのは僕のキモチや意識だ。

往路でパンクした時のキモチといまはまったく違っている。

ハワイの海や空の色を楽しみ、風を感じてクロスバイクに乗っている。

自分の意識で世界が変わるんだ。

そんなことを思い坂道を登っていた。
坂道を登りきると、そこからは急な下りになる。
しっかりとハンドルを握って、坂道を下っていった。

そして Kalanianaoleハイウエイを快調に走り、ワイキキへ戻った。

さて、次はサーフィンだ。

 


 

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