「ノースショア・チャレンジに再チャレンジ!ちょっとなハワイ。」 ハワイ旅行日記2012年8月。 

2日目


目がさめてトイレに行く。
昨日の渡航の疲れや夕食でたくさん飲んだビールの影響はほとんどない。

水着に着替えて、たっぷりと腕とカラダがすれるところにワセリンを塗った。

今日は、ノースショア・チャレンジというスイム大会に参加する日だ。
そのため、みんなで早起きしてノースショアに行く。

大会の受付は7時から8時半までなので、遅くとも8時にはノースショアへ到着しておきたい。
逆算して6時40分くらいにはクルマを走らせたい。
そのため、6時30分出発と時間を決めた。
10分は、子どもがいるとどうしても遅れてしまうので、その時間を見込んでいる。

昨年にもこの大会に参加しているので、行き方や受付、パーキングの状況はわかっているの気がらくだ。

しかし、昨年はリタイヤしてしまった。
海のコンディションが悪く、泳いでも泳いでも前に進んでいかなかった。
景 色が変わっているので、ある程度は進んでいるかと思っていたが、1時間40分くらい泳いだところでライフガードの人と話をしたところ、「このペースだと2 時間くらいかかるよ」といわれ、待っている家族の心配もあるから「リタイヤをする」と言って、ジェットで運んでもらった。

あの時ことを思い出すと、少々腰が引ける。

海に入るときの波の高さ。
夏のノースショアはフラットな海で波がないといわれているが、あの時は波があり息継ぎもタイミングをはからないと波の高さで顔がでなかった。
ハワイの海はとてもきれいで魚を見ながら泳ごうと思ったが、太陽が雲にかくれて海が暗くなってしまっていたことと、流れが早かったことで水がにごって魚は見えなかった。
息継ぎのタイミングの時だけ見えるハワイの景色も、波のタイミングをはかって行う息継ぎがしやすい海側(右手側)でしていたので、空しか見えない。
僕の周りの人は(あとでライフガードの人に聞いたのだが)、ほとんどが陸に上がってリタイヤしていたことから、人がだれもいなくて孤独の中を泳いでいて、コースを確認するときに顔を上げたときにライフガードの人をみてほっとしていた。
リタイヤ後、ゴール地点に戻るために歩いた灼熱のアスファルト。
海を見てゴールを信じていた家族に、後ろから到着した恥ずかしさ。
スポーツイベントでリタイヤをしたことがなかったことから、リタイヤした悔しさ。
海が荒れていてみんながみんなリタイヤをしたなら良いのだけれど、ゴールをしている人も半数くらいはいたので、自分の泳力のなさ。

こんなことを考えると、「今年も途中でリタイヤしてしまうのではないか」という恐怖心にかられた。

「この大会に参加しないで、ワイキキでサーフィンをしていた方が良い(充実)のではないか」とも思った。
しかし、ここで逃げてしまったら、もうハワイの海で遠泳のようなことはできなくなってしまうのではないか。
トライアスロンのアイアンマンレースに出場することもしなくなってしまうのではないか。(アイアンマンレースとほぼ同じ距離)

やらないで逃げるならやってみてリタイヤした方がまだいい。

そういうことで、このノースショア・チャレンジにチャレンジすることにした。

不安要素としては、ハワイ旅行が決まったのが7月上旬なので、そこからしかトレーニングをしていない。
5回くらいプールで長距離(3キロ〜6.5キロ)を泳いだだけだ。

前回よりいいのは、前回は4キロ程度しか1回で泳いでいないが、今回は6.5キロを連続で泳いだというトレーニングをしたから距離に対しての自信は今年の方がある。

集合時間となり、クルマを走らす。
ノースショアまでのドライブは楽しい。
空港を過ぎてからノース方面に行くと、オアフ島のさまざまな景色をみることができる。

順調なドライブは快適だ。
子どもたちは朝が早かったので、寝ている。

フリーウエイの終点まで来た。
ここからはまさにノースショアといった景色が続く。
赤土、遠くに見える山、木々、空にある雲もワイキキとノースでは違うような気がする。(たぶん気のせい)

天気はいい。

海が見えてきた。
波が高いときに見える白い線(波ですね)は見えない。
前回よりは条件がいいか。
どうだろう。

時間がないので、ハレイワは通らずに会場であるワイメアベイまで行く。
ノースショアに入っていくと、ハワイアンラジオ局KINEの電波がとどかなくなる。

ワイメアベイ周辺には、路上駐車が多く、たくさんの人がすでに到着しているようだ。
ワイメアベイのパーキングにクルマを入れて、みんなと荷物を降ろす。
すでにパーキングは満車なので、駐車することはムリだ。
こんなときは、ワイメア・バレーのパーキングに入れる。
1日5ドル。
前回に来たときは、ここのパーキングの存在をしらなくてうろうろとしたっけ。
その結果、ここのパーキングに駐車できるか聞いてみようと思い、ワイメア・バレーに入っていったのが正解だった。

パーキングのおばちゃん(という雰囲気の方)にトイレの場所を聞いた。
「ここをまっすぐ行くと建物があるからその場所になるパーキングにとめて、その建物の中に入りちちょっと行った奥にあるよ」という。(1回聞きなおして、こんな感じのことを言ったと思う。ちょっと早口)

トイレは掃除中のようだが使うことができた。
たっぷりと紙も補充されている。

ワイメアベイのパブリックのトイレよりこういう施設のトイレの方が、キレイで設備もいい。

クルマを駐車するまえに行くことができた。
よかった。
ここで大きいほうを済ますことができて。
もし、スイム中にもようしたらどうするのだろう。
さすがに大きいほうは海の中ではちょっと・・・。
泳いでいる途中に浜に上がってもトイレがあるとは限らないし。
やはり海中なのか。
ちょっとやだな。(笑)

ワイメアバレーから歩くと近いようで時間がかかる。
そのまま受付に行ったが、ほとんどの人はすでにバスでスタート地点に運ばれてたようだった。
水着で腕に番号がかかれた人の数が少ない。


スタート前はこんな感じのゆるーいゴール前。


僕も大至急手続きをして、バスの列にならんだ。
どうやらこのバスが最終バスのようだ。

案内をしている25歳くらいの係がマイクでいろんなことを言っていた。
「今日のコンディションは悪くない」とか。
ただその中で、「このスイム大会に参加したことのない人はいますか?」と右手を上げて確認するしぐさをして質問したのだが、「昨年の参加してリタイヤした僕は参加したといえるのだろうか」と思い、手を上げそうになった。
だけれど、ここで手を上げてしまうと徹底的に説明を受けそうだったので、やめておいた。
参加はしたことはあることには間違いないか。

なかなかバスが来ない。
時間は刻々と過ぎていく。

もしかして、スタート時間に間に合わない?
でも、たくさんの人がまだ残っているので、なんとかなるだろう。
スタート時間をちょっと遅らすとか。

日差しが強いので、太陽に照らされると昨日のサーフィン中に焼けた背中が痛い。
膝の裏も痛い。

今までのハワイでは、僕のサーフィン時間は早朝から朝にかけて行う。
太陽が昇りきっていないので、日差しの強さはさほどでもない。
しかし、昨日は太陽が絶好調の時にサーフィンをしてしまったのだ。
そのため、日焼けがすごいことになっている。
日焼けというよりやけどという感じだ。


やっとバスが到着して乗り込んだ。
僕は前のほうに並んでいたので、バスの後ろの方の座席に座った。
全員はすわれなくて立って乗る人もでてきた。
そのうち通路も参加者でいっぱいになった。
ぎゅうぎゅうとまではいかないが、かなりの人数がこの黄色いスクールバスに乗っている。

このバスでの会話は100%英語だ。
日本語はひと言たりとも聞こえてこない。
聞こえるとしたら、僕の独り言くらいだろう。(言っていませんが)

日本人の観光客はゼロだ。
3.8キロのスイム大会に参加する観光客は珍しいのだと思う。

それにしても、このバス内はうるさい。
みんなローカルで知り合いと参加しているのだろうが、会話しまくりだ。
たくさんの人がけっこう大きな声で話しているので、どこかの機械工場に入ってしまったかのような轟音がバスの中に鳴り響いている。
欧米人は話好きと聞くが、それにしてもよくしゃべる。

日本での大会でここで話している人が同じようにバスに乗っていたら、「お葬式に行くのか?」と思うくらいしか話さないと思う。
文化の違いかな。

それにしてもなかなか到着しない。
僕は窓から景色を見ていたが、けっこうな距離を走っていると思う。
3.8キロってこんな遠かったかな。
僕の住んでいるところの近くにある公園の1周が1キロ弱なので、その4倍と思っていたがそれ以上走っているような気がする。

マウイマラソンの時は「こんなに走るのか?」と思ったが、今回もそれに匹敵するくらいだ。
「こんなに泳ぐのか」。

そういえば、前回のバスでは、そんな気にならなかったと思う。
リタイヤのトラウマなのかな。

バスが止まった。
スタート地点のビーチパークに入らないようだ。
パーキングを見ると、クルマが駐車していてはいれないのだ。

道路を行きかうクルマの量が多いので、車線をわたってビーチパークに行くには厳しいかなと思ったら、バスについている「STOP」の表示を出してクルマの動きを止めた。
バスから降りた選手は、この表示のおかげでクルマを気にせずに道路を渡れる。

子どもたちが乗っていなくてもこの表示でとめられるんだ。

裸足(というかスイムパンツしか着ていない)なので、小さな石を踏むと痛い。
時計を見るとスタートまで後5分。
いま到着したバスの選手以外の9割くらいはすでに海に入っていた。

僕は、緊張でからからになった口を、ビーチパークのシャワー近くにある水のみ用の蛇口から水を出して潤した。

そして、小走りで海に向かった。
なんとかスタート前に海に到着した。
帽子をかぶり、この日のために購入したトライアスロン用のゴーグルを顔にセットした。

波のあいまを見て海に入った。
しばらくしたら、大きめな波が来たので、その波にぶつかるように飛び込んだ。

「あれ、ゴーグルがずれた」。
実は、このゴーグルを使うのは、初めてだ。
日本でテストもしていない。
なぜかというと、購入後に装着したらフィット感がよくてテストするまでもないかと思っていたからだ。

「ストラップがゆるいのかな。それとも波にぶつかったからかな」と思っていたら、スタートの合図の「ぼー」という音がなった。

ぼくはまだ海に入って3分くらいしかたっていない。(もしかしたらもっと短いかな?)

スタートしちゃった。
とりあえずクロールをしてみた。

息ができない。
ゴーグルに水が入る。
苦しい。

僕のアタマに「リタイヤ」とか「棄権」とかの言葉がうごめいている。
ぜんぜん泳いでいないのに。

しかたなく平泳ぎで顔を出して呼吸をした。
息が整わないのだ。

スタートを見守っていたライフガードが僕の方を見たので、僕もライフガードを見た。
ライフガードが言う。

「息をすって、息を吐くんだ」。

おいおい、それは当たり前だぞ。
それくらい僕の呼吸は乱れているように見えたのだろう。

まずは呼吸をしっかりする必要がある。

僕はしばらく呼吸を続けていた。

「息を吸って吐くんだ」。
その言葉をアタマの中で繰り返した。

その状況に慣れてきたので、そろそろ泳ごうかと思った。
ほとんどの選手はかなり遠くに泳いでいるのが見えた。

顔をつけてクロースをする。
10ストロークくらいするとゴーグルに海水が入る。
ゴーグルから水を出して、泳ぎ始める。
また10ストロークくらいすると、気になってしまうので、海水を出す。

「おいおい。これじゃ進めないよ」と思いゴーグルの調整を決心した。

この海の中では調整ができないので、足が海底につくところまで行こう。
浜にむかって泳いでいった。

「もうつくかな?」と思うところでもぜんぜんその気配はない。
ヘタに足をつけてウニでも踏んでしまったら、最悪だ。

海底が砂であることを確認して足をつけた。

近くまでライフガードが寄ってきて、「Retire?」と叫ぶ。
僕はゴーグルを見せて「Adjust!」と叫んだ。
ライフガードはうなずいて、他の選手(僕がこんな調子でもまだ他の選手がいた)のところを見に行った。

僕はできるかぎりストラップをきつくして、沖の方に行って泳ぎ始めた。

10ストロークくらいしたところでまた海水が気になる。
これ以上、調整のすることができない。
かなりキツくしているからだ。

いままで10ストロークだったところを20ストロークくらいまで我慢して、海水を出しながら進もう。
プールでしか泳いでいないと、海ではプールのようにコースで区切っていないしラインもないので、曲がって泳いでしまうのだ。
20ストロークで顔を出して水を出せば、その都度で方向を修正できるから、結果として早いかもしれないと思い、自分に言い聞かせた。

でも面倒だ。

まだ数百メートルくらいしか泳いでいない。
このままあと3キロ以上泳ぐのか。

でもしかたない。
あたらしいゴーグルを購入してテストをしなかったのは自分だ。
すべて自己責任。

このゴーグルはイタリア製なので、「イタリア人用につくったゴーグルだから、のっぺりとした日本人の顔では海水が入ってきてしまう」とか、「そもそもどっかに穴でもあいている不良品なのではないか」なんて、モノに八つ当たりする始末だ。

「でも、のぺっとした日本人の顔なのに、まつげがゴーグルの面に当たるぞ」と思った。

「もしかして、ゴーグルをつける位置がおかしいのか?」。
このゴーグルは、競泳用のゴーグルより面が広く180度の視界が保てるようにつくっている。
そのため、競泳用のゴーグルより大きいのだ。

顔に面しているゴーグルの位置を下げてみた。
そうしたら、海水はまったく入ってくることなく泳ぐことができた。
しかも海の中が鮮明に見える。

競泳用のゴーグルをする位置にあわせていたので、顔にフィットしていなかったのだ。

ストラップをきつくしていることが気になるくらい、顔に張り付いている。
海水は一滴も入ってくることはない。

よし、泳ごう。

カラダも海の温度に慣れてきた。
息も苦しくない。

息継ぎを気にしながら、泳ぎ続けた。

水中を見ると、きれいな魚が泳いでいる。
キレイでない鰯のようなさかなも泳いでいる。

今回はあまり海が荒れていないらしく、水中が良く見える。

しばらくすると、何人かの選手が前に見えてきた。

「僕ってビリ?」と思っていたから、ひとりでも抜かせるのはうれしい。

僕の横に選手がきた。
追いつけ追い越せだ。

横の選手の顔、息をはく泡が鮮明に見える。

「このゴーグル、性能が良い」。

さっきの評価とは大違いだ。(笑)

コースを外れないように、定期的に確認しながら泳いだ。
時計を見ると、1時間が経過していた。

前回の失敗は、デジタル時計をしていたことだ。
水中ではデジタル時計の文字はまったくみえない。
泳ぎならが時間を確認することができないのだ。

その失敗から、今回はアナログの時計をしている。
ダイバーズウォッチにデジタルがないのは、水中で時間がわからないからと気づいた。

「半分くらい泳いだのかな」。

マラソンのように距離表示はない。
自分がどの位置にいるのかわからない。

少なくとも昨年のリタイヤ地点より泳いでいることは、地形の記憶でわかった。
ということは、最長でもあと2時間以内には到着するか。

ひとかきひとかき進もう。
慣れてきたこともあり、水をかく手の力をすこしだけ強くしてみた。
プールではもう少し強くストロークをしていたと思う。

スイムは浜にそって泳ぐのだけれど、地形的に浜からかなり離れたところを泳ぐこともある。
突堤のような地形になっていて、それを超えるには浜から離れるからだ。

慎重に進路を決めて泳ぐ。
浜から離れると、水の色が濃くなる。

プールで泳ぐように前を見る必要がないので、下を見て泳いでいる。(たまに見ますが)
魚を見たいというのもある。

ふと、僕の進路の先に黒いモノが見えた。
選手にしては、深い位置だ。
水面から3メートルくらいのところ。

よく見てみると、海がめが2匹泳いでいる。
泳いでいるというより、漂っているようだ。
なぜかというと、ほとんどなにも動かさず動いているように見えるから。

ハワイで海がめを何度も見ているが、水中を泳いでいる海がめを見たのは初めてである。
サーフィン中にアタマを出している海がめは何度も見ているが、水の上から見ている姿だ。

「このまま泳いでいくとぶつかっちゃうか?」と思ったが、水中では彼ら(彼女ら?)の方が自在に動ける。
僕が泳ぐ速度より早く僕の目の前から去っていた。

「水中で海がめを見たのは感動的だったな」。
そんなことを思っていたが、自分の置かれている状況(スイムの大会に出ている)を思い出し、泳ぎ続けた。

「ハワイのスイム大会を楽しもう」。
このまま泳いでいけば、たぶん泳ぎきれる。
あそこの突起している地形のところを超えると、ゴールだ。
ゴールが見えてくると、希望もでてくる。

「もしかして、2時間どころか、1時間半も切れるか。こんな状況だったのに!」と思った。

その部分を越えていくと、ゴールの地点のテントとかが見えてくるはずだが、ただのビーチだった。

「え、もしかして、あれを超えたところか?」。
遠くに同じような地形の場所が見えた。

「やれやれ、まだまだ泳がないと」。

ストロークする手にまだチカラが残っているし、疲労はない。

時折、ライフガードが近寄ってきて、親指をたてたグー(エドはるみさんの手ですね)をして、「Are you OK?」と聞いてくるので、「I'm OK」とグーをする。


あるところから空気の泡が上がってくる。
「なんだ、パワースポットか?」と思ってよく見てみると、手足のある海底人が泳いでいるのが見えた。
その海底人とはダイビングをしているダイバーだった。
僕の手の小指くらいの大きさの人間がボンベをつけて泳いでいる。

「と、いうことは、いったい僕は水深どれくらいのところを泳いでいるんだ」。

僕は急に泳いでいるのが怖くなった。

その後すぐに、「浜から10メートルも離れたら足が付かないのだから、どこを泳いでいてもあまり変わりはないよね」と思った。

「ダイバーから僕はどのように見えるのかな。ダイバーが見えるなんて、今日の海の透明度はすごいな」。

ハワイのノースショアで、こんな体験ができるのは貴重だ。

「ダイビングって怖いな。なにかあってもすぐには上がってこれない。あそこからここまで上がるにはどれくらいの時間がかかるのかな。ダイビング、ちょっとムリかな。」と思った。

ぎゅうぎゅうにきつくしたゴーグルで顔が痛い。
前回は腕を動かすことですれてしまった部分の痛みはない。
ワセリンをたっぷりと塗った効果がでている。
もしかして汗でながれてしまったかもしれないと不安だったが、機能しているようだ。

進路をどのようにとって良いかわからなくなった。
かなり前に大きめな船がいたからだ。

僕が迷っていたら、「おれの後に付いてきて」とライフガードがいう。
僕は、パドリングで進んでいくライフガードのサーフボードの後を付いていく。
速度が違うので、どんどん離れていくが、進路はわかった。

「あれを超えればゴールが見えるか」。
時計を見ると、2時間を越えていた。

浜を見ると、テントやのぼりが見えた。
あそこまで行けばゴールだ。

僕は泳ぐ速度を上げる。
でもゴールになかなかつかない。
キモチのほうが早く行ってしまっている。

あそこまで行けばゴールだ。
あそこまで行けばゴールだ。
泳ぎきることができるんだ。

ふと海底を見ると、砂浜なはずが真っ黒に近い状態になっている。
「なんだ?」と思ってよく見ると、全部が魚だ。
カラフルな魚ならまだしも、みんな地味な黒っぽい魚。
ここまで多いと怖い。

早く浜に行こう。(笑)


これではだれだかわかりませんが、手前が僕です。



足がつくところまで行き、顔を上げた。
ゴーグルを外しゴール地点に行く。

カラダが重い。

ちょっとふらつきながら、ゴール近くに行く。

ムスメが僕に気づいていないので、ムスメを呼んで手をつないでゴールをした。

このスイム大会は、タフだった。

2時間半くらい泳いだ。

トップ選手は45分で帰ってきたそうだ。


写真の順番が逆になっていますが、トップのゴール前で、ゴールが近くなるとこの人だかり。(すくなっ!笑)

すごい。


トップの方のゴールシーン。これもゆるい感じ。


かなりゆるい感じのゴール会場付近。たぶんスイム大会は関係なしにいらした方たち。

僕は昨年にリタイヤしてしまったこの大会で泳ぎきった達成感にひたっていた。
タイムが遅くても、ノースショア・チャレンジの3.8キロを泳ぎきったんだ。

喜びというより、「ほっ」とした感じがした。

子どもたちは波打ちぎわで遊びたいらしい。
僕が泳いでいるときに遊んでいてくれればよかったと思うが、ママさんたちは波がない時期のノースショアでもワイメアベイの波は監督できないので遊ばせなかったとのことだ。

スポンサーのジャンバジュースのシャーベットはとっくに品切れで、店じまいになっている。
オフィシャルのテントであたたかくなってしまっているフルーツを食べた。

こんな遅いタイムではシャーベットは食べられないのだ。(笑)
次回に参加するときは、シャーベットが食べられる時間にかえってきたい。

波打ちぎわで遊ぶ子どもたちの監視をする。

ハワイの海はいい。
見飽きない。

ここを出る時間を決めて、こどもたちに伝える。
どんな時間を言ってもブーイングだが、時計を見せて残り時間を伝える。
終了後、さらに5分程度延長しないと気がすまないのも知っているので、その時間を差し引いて時間を決めた。
そして予定通り5分の延長を終えて海から出た。

シャワーを浴びて着替える。
僕はクルマを撮りにワイメアバレーに行く。


シャワーのそばにオーガニックなシャンプーなどがおいてありました。


着てきたシャツは波打ちぎわで遊んでいるときにぬれてしまったので、参加賞のTシャツを来た。
同じく参加賞のキャップをかぶってクルマに行く。

腕にはマジックで書かれた参加者の番号が残っている。
Tシャツを着ていてもキャップをかぶっていてもこの大会に参加した証明にはならないが、腕にかかれた番号があるひとは、正真正銘の参加者である。

自分の腕にかかれている番号を見ると、ゴールできた満足感がわいてくる。

この大会に参加する人のほとんどはハワイの居住者で、なんどもスイムの大会に出場しているので特別なものではないと思うが、僕にとって今回のスイム大会は昨年のリタイヤだった大会で泳ぎきったので特別なものとなった。

しばらくすると、「次回に泳ぐときは1時間くらい短縮してやろう」と、ちょっと前までやっとのことでゴールしたことをすっかりと忘れて、欲が出ていている。(笑)

僕はクルマをとりにワイメアバレーに向かった。



 


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